吉川晃司インタビュー、『吉川晃司とUL・OS展 「からだから生きるを問う」』に具現化されたその生き様

大塚製薬の男性向けトータルスキンケアブランド「UL・OS(ウル・オス)」による『「UL・OS Questions」プロジェクト』始動に伴って、2023年11月下旬にスパイラルガーデンにて開催されたイベント『吉川晃司とUL・OS展「からだから生きるを問う」』の会場で吉川晃司本人に話をうかがった。

転んでも、立ち上がるときには必ず、何かをつかんでいた。失敗が多いことこそ勲章だと思っている
– – – –吉川晃司

ロックミュージシャン・俳優の吉川晃司と、大塚製薬のスキンケアブランド「UL・OS(ウル・オス)」がコラボした写真展『吉川晃司とUL・OS展「からだから生きるを問う」』が11月24日~29日まで東京・青山のスパイラルガーデンにて開催され、話題を呼んだ。展示されたのは、 吉川の「ありのまま」の肉体を撮影した写真9点と、プロジェクトが投げかける9つの問い。

シワを消すなどの画像加工が一切、行われておらず、そこには、自分が歩んできた「生きざま」そのものを見せたいという、吉川の想いが反映されていた。1984年のデビュー以来、エンターテインメントの第一線に立ち続けてきた吉川晃司。間もなく「40周年」の節目を迎える彼が、歩んできた道と「いま」を語った。

価値観が一致していた

大塚製薬「UL・OS」の企画チームの考えに共感し、自ら研究所にも足を運んで、研究者たちからも話を聞いたという吉川。何事も中途半端を好まず、とことんこだわるという部分には「らしさ」を感じる。

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「ただ価値観とか、そういったものが違っていたら、そこで話は終わっちゃうんですよ。今回ご一緒した『UL・OS』のチームとは、その部分の考えが同じだったから次のステージへ進むことができた。『歳をとる』=カッコ悪いことだとネガティブなほうにだけ考えている人が相手だったら、うまくいかないわけです。

化粧品じゃなく『健粧品』だというコンセプト、『化ける』じゃないというのが面白いと思ったし、研究者のみなさんも含め、高い理想と価値観を持って、仕事に取り組まれていた。だからこそ、自分としてもより深く知りたい、関わりたいと思ったんです。

どんな仕事をするときでも、こうありたいんですけどね。必ずしも、そうじゃないときもある。むしろ、今回のようなケースのほうが稀(まれ)かもしれません」

ほんとのあなたはどこにいった?

9点の写真にはそれぞれ「UL・OS」プロジェクトからの「問い」が添えられていた。その中に「ほんとのあなたはどこにいった?」というものがある。

吉川晃司,ウルオスUL・OS

このビジュアル、「ほんとのあなたはどこにいった?」に対して抱く想いを、吉川晃司さんがエスクァイア日本版に語ってくれた。

「大人の言うことなんて聞いてたまるか、朱に交わっても絶対、赤くならないぞ……という感じで、意地を張って、見得を切って生きてきましたからね。『本当の自分』を見失ってたまるか、と思っていましたけど、振り返ってみたら、袋小路に入り込んだり、『五里霧中』状態のときが確かにありました。

でも、そうやって迷って、たとえ転んでも、立ち上がるときには必ず、手に何かをつかんでいた。だから失敗もムダじゃない……どころか、失敗が多いことこそ勲章だと思っているんです。恥をかくことは、とても大事。それ以上に、そこから学べることが多いですから。

人生でも、散歩でもそうですけど、近道よりも回り道が好きだし、そのほうが、心が豊かになると思っています。『路地裏も面白いぜ』と言いたい。それに、ロックミュージシャンである以上、ずっと突っ張って生きたいんですよ。世の中、体制に対して『それはおかしいだろ?』と思うことはなくならないし、そこに対しては、抗(あらが)い続けたい。

昔よりも『知恵』はついたと思うし、いろいろな闘い方も覚えたから、常に身構えたり、という状態ではなくなったれけど、基本的に、平和な世界では存在できないタイプの人間だというのは間違いないです(笑)」

そういえば、「つい誰かを演じて生きてません?」という問いが添えられた写真では、吉川はファイティングポーズをとっている。

「何と闘っているんだか(笑)。でも、気づいたら、こういうポーズをとっているときがある。いつも、何かと闘っていたいんでしょうね」

40周年へ~目指すのは
「しなやかさ」

間もなく迎える、デビュー40周年。だが、近年の吉川の活動ぶりからは「新たなる挑戦」への旺盛な意欲が感じられる。一方で、音楽活動においても、ライブを精力的に行い、圧巻のパフォーマンスを見せ続けている。

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「周囲に迷惑をかけるような大きな失敗はしにくい年齢になったとは思いますけど、それでもやっぱり、チャレンジしていきたいんですよ。見得(みえ)を切って生きることこそがロック。そして、それを体現するのが自分の仕事ですから、納得のいくパフォーマンスをステージ上で見せられるようなトレーニングを日々続けるしかない。楽しくはないですけどね(笑)」

“生きるを問い続ける”が、「UL・OS」プロジェクトのメインテーマである。

「僕自身、ずっと問い続けていくんでしょう。死に場所が見つかったときに、やっと答えが見つかるのかな? ボブ・ディランが言うように『答えは風の中』なんでしょうね。突っ張って生きることとは矛盾するかもしれないけど、いまは歳を重ねたからこそ、しなやかでありたい、と思います」

肉体的にも、精神的にも「しなやか」であること……それが現時点での、吉川のひとつの大きな目標であるようだ。

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